不調に苦しむ犬猫たちのケア用品
ワンちゃん・猫ちゃんにも人間と同様エンド・カンナビノイド・システム(ECS)が備わっており、CBDを摂取することで、動物の関節や皮膚トラブルなどに効果的に作用します。
しかし、"CBDって何?"というCBD自体をご存知でない方にまず「CBDとは何か」を紹介いたします。
CBDとは?
CBDの基本的な特性について解説します。CBDは大麻植物の成熟した種子と茎からのみ抽出され、心や身体の健康維持につながる有効成分として近年注目が集まっています。厚生労働省により禁止されている成分は、THCという成分でいわゆる"ハイ"になる成分が含まれており、精神活性化作用があります。
では、CBDはどのようなメカニズムで、身体にどういった効果をもたらすのでしょうか。
生体内では、CB1受容体、CB2受容体、内因性カンナビノイドを主要構成分子としてエンド・カンナビノイド・システム(以下、ECS)が構成されています。CBDを摂取することで、CB1受容体(主に中枢神経系に存在)を部分的に抑制し、CB2受容体(主に免疫機能細胞や消化管細胞の表面に存在)を部分的に活性化させ、これによりバランスの取れたECSの働きをサポートしてくれます。これにより、免疫機能の低下・ストレスや加齢・睡眠不足といった問題に対し、CBDを摂取することでアプローチできると示唆されています。
2013年に米国国立衛生研究所が定した内容によると、「ECSの働きを調整することにより、人間に起きる疾患のほとんど全てに治療効果を発揮する可能性がある」と宣言されています。
これらの働きは、人間だけでなく動物にも効果があると言われています。
ペットの健康への利点
ワンちゃん・猫ちゃんにこの症状が見られたら!
【これらは犬・猫がストレスを感じているサインです】
- 眠い時でもないのにあくびをする
- 飼い主さんから視線を逸らす
- 体を後ろ足で掻く
- 食欲不振・皮膚の炎症
1. ストレスや不安の軽減
これらのサインが見られる場合は、犬・猫が何かしらストレスや緊張を感じていると考えられます。CBDを摂取することで、環境の変化やお留守番などでストレスを感じているペットに不安やストレスの軽減効果を期待できます。
2. 炎症の抑制
関節炎や慢性の炎症は犬・猫にも影響を与えます。
走り回りたいけど走れない、ジャンプができない。こんな悩みを抱えているワンちゃん・猫ちゃんに最適なのが CBD治療と言えます。CBDを摂取し免疫系を調整することにより、炎症を抑制する効果を高く期待できます。
3. 食欲刺激
ECSの働きに、正常な食欲や代謝の"調節"機能があります。過度な食欲を感じている場合には食欲を抑制し、食欲不振の場合には、食欲を抑制する働きがあります。
ペット用CBDオイルの選び方
ペット向けに開発されたCBD製品の種類
- CBDオイル
- CBDおやつ
- CBDクリーム
注意点と安全性
ペットの種類やサイズによって適したCBDの投与量は異なります。獣医師の指示に従い、正確な投与量を把握しましょう。一般的にCBDには副作用が少ないとされていますが、投与によって異常な挙動や症状が見られた場合は、すぐに獣医師に相談してください。
1. THCフリーであること
現在国内で流通しているCBD製品の多くは、THCフリーであるものが多いですが特に気をつけて信頼できる製品を扱うようにしましょう。ブロードスペクトラムやフルスペクトラムのCBDが、最も効果的と言われています。
2. ペット専用CBD製品であること
人間のために作られたCBD製品には、香料や人工甘味料といった犬や猫にとって有害である場合がある成分が含まれています。同じものを投与するのではなく、必ずペット専用に作られた製品をペットには使用するようにしてください。
3. オーガニックの原料を使用していること
農場で栽培された際に、土壌が重金属や農薬に汚染されている場合、CBD製品にも混入してしまう危険性があります。そのため、オーガニックであるCBD製品を使用することをお勧めいたします。また、サードパーティーによる成分分析がなされた製品を自身でも確認するようにしてください。
4. フォローアップ
一般的に、CBD製品を摂取することの副作用は少ないとされていますが、個体差があるため投与後数時間は以下のことに気をつけて異常がないか確認することをお勧めいたします。
鼻の渇き、血圧低下、眠気:様子が異常でない場合は、次回から投与量を少なめに調節してください
異常な挙動、嘔吐:様子に異常が見られる場合にはすぐに獣医に相談することをお勧めします。
ペットにCBD製品を使用する場合には、事前に獣医に相談しその後も定期的にフォローアップと調整を行ってください。
まとめ
ペット用CBD製品の選び方には、慎重な注意が必要ですが、適切に選んで利用すればペットの健康状態に有益な効果をもたらすことが期待されます。CBDを導入する場合には、信頼性の高い製品を選び獣医師との協議を通じて、ペットに最適な健康サポートを提供しましょう。
参考文献
- Pál Pacher and George Kunos, “Modulating the Endocannabinoid System in Human Health and Disease: Successes and Failures,” FEBS Journal 280, no. 9 (May 2013): 1918–43.